モニちゃんの所属事務所・結果その3

実は僕、ウィーゼルを半分信用していませんでした


ホワイトデーでモニちゃんたちをトロアールに招待した日

卒業ライブの話とウィーゼルの名前が聞こえたらしく

『ウィーゼルにはマジで気をつけろ』

と後で先輩たちに言われました


トロアールはウィーゼルに色々やられたそうで

かなり警戒しているようでした


それが気がかりではあったものの水を差したくなくて

誰にも言わずずっと黙っていたんです


その結果モニちゃんがバンドを離れることになってしまい

僕は前もって話さなかったことに責任を感じました


だからといって今ここで僕が謝るのは違和感しかないし

慰めるのも白々しい気がして言葉が出てきません


そうこうしているうち、僕は思わず「何で」と呟きました


モニちゃんが声を守るためにずっと避けて来たもの……

煙草一箱、化粧台の上にあるのを見つけてしまったんです

開けたばかりのようでパッケージフィルムの片割れもありました

煙たさや吸殻はないので火はつけずに

ポケットかどこかに入れてるんだと思います


モ「ああ、それ。気が変わったらよろしくって、ウィーゼルの人がくれただけよ」


歌手を目指している人にタバコを勧めるなんて……

舐められてる気がして悔しくなりました


る「ウィーゼルの人って、ターヤさんじゃないの?」

モ「……だったら何」

る「え?」


急に言葉がキツくなったので驚きました


る「何で怒ってるの?」

モ「別に怒ってないし」

る「それ。その言い方、何か嫌だ」

モ「るるい君が余計なこと聞くからでしょ」

る「俺のせい!?」


八つ当たりもいいとこです

あまりモニちゃんらしくなくて僕もたじろいでしまいました


本当に喫煙に興味があるなら良いけど

ヤケになって今までの信念を曲げるつもりなら

やめた方がいいと説得していたのですが……


モ「もう放っといて。るるい君には関係ないでしょ」

る「関係ないって、どういうこと? ずっと応援してきたじゃんか」

モ「応援じゃなくて、干渉しすぎ!」

る「……それマジで言ってる?」


勢いで言ったんじゃないかと思うんですけど

さすがにその言葉はショックで、怒りを通り越して悲しくなりました


ふん、とモニちゃんは返事もせずにそっぽを向くので

僕のなかでプツンと糸が切れてしまいました


る「何だよその態度、もう……没収!!!」

モ「あ、やめて返してよ! 泥棒!」


僕は煙草の箱を奪い去り霜西家を飛び出しました


家に帰るとモニちゃんから着信がありましたが

僕はコール音を途中でブチ切り電源を落としました


以上があまり思い出したくない

あの日のことでした



2025.3.22

るるい

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